昨日(6月2日)、上州八王子丘陵ファントレイル in OTAを走って(歩いて)きました。初めてのトレイルランニングのレースです。
レースレポ、と行きたいところですが、全日本マラソンランキングデータの話の続きを書きたいと思います。
前回は横軸をフルマラソンのタイム(30分区切り)としてたグラフを作りました。全体と年齢別(5歳区切り)です。今回は横軸を年齢(1歳区切り)で、タイム毎の人数の割合のグラフを作ってみます。
ただし縦軸はその年齢の全人口に占めるそのタイムでフルマラソンを完走した人の割合とします。これは人数の多い年齢、少ない年齢(年齢構成)の影響は受けませんが、年齢毎のマラソン人口の割合は反映されています。(第2回で太字で追記したあたりの話です)
下は順番に男性の4時間まで、5:45まで、残りの全ての完走者のグラフです。
1番目のグラフをみると2:30までは25歳ぐらいが一番多く、3:00ぐらいまでは35歳、そして4:00までは40~55歳が多くなっていることが分かります。
絶対的な割合は3:45~4:00までが最も多く、次いで3:15~3:30と3:30~3:45が多い、4:00までの男性ランナーの全体としては40~55歳あたりが多いということになります。
2枚目のグラフをみると上のグラフの3:15~4:00と比べて若い人の方にグラフが寄ってくことが分かります。タイムが遅いほど若い人で割合が増え、上の年齢では減っていきます。
3枚目はさらに遅いタイムです。25~30歳あたりが多くそれより上の年齢は減っています。
若いランナーはごく一部の人がすごく速く、他は上の年齢より遅いランナーが多い、という第2回の話を別の切り口から示しました。
女性についても同じように見てみます。
1枚目はおおむね男性と同じ傾向ですが、最も多い3:45~4:00は45歳あたりから上の人数が特に多いことが目立ちます。
4:00より遅いタイムになると男性のグラフとは大きく違うのが分かります。一番低いグラフが4:00~4:15でこれはそれほどでもありませんが、それより遅いタイムになると25歳あたりがタイムが遅くなるにつれて大きく増えていくのが分かります。
女性は30歳まえあたりの遅いランナーが沢山いて、その後の年齢の割合が大きく減っていて、速いランナーは上の方の年齢ということになります。
3枚目をみるとこの傾向がもっと顕著になっています。
以上の男女のデータをレースの光景に置き換えると、少数のトップランナーとして若い人がかけぬけて、そこから5時間前後ぐらいまではおっさんの集団が、そして後ろの方に若い男性が増えて最後尾までゆるゆると走って行く。女性は絶対数が少ないのでその中にちらほら、という感じでしょうか。
男女の年齢別のマラソン参加率の違いが気になりますね。
タイム別に分けずに合計のグラフ作ってみました。まずは縦軸をマラソン人口(完走者人口)としてみました。これは年齢構成の影響を受けていることがわかります。丙午の年齢が大きくへこんでいますね。
ちなみに日本の年齢構成は下のグラフ(単位:千人)です。
次に縦軸が年齢別の人口に対するマラソン参加率(正確には完走者の割合)としてみました。年齢別の人口に対する割合という意味では、今回の前半のグラフと同じ縦軸です。
女性は25歳過ぎあたりがピークでその後、大きく減っています。男性もそのあたりで一旦少し減りますが、すぐに戻っています。
年齢からの推測ですが、これは育児に伴ってマラソンの練習をする時間が取れなくなることによる現象なのではないでしょうか。日本では育児の負担が女性に偏っている傾向が大きいことから考えても、このグラフの違いは説明がつきそうです。
25歳あたりまでの男女の違い(女性に対して男性が2.4倍くらい)は、男女のマラソンへの志向の差でしょうか。これも仮定に過ぎませんが、仮にそうだとすれば25歳あたりまでのグラフが一致するように重ねてみると、子育て等の負担によって女性ランナーがどれくらい減っているか分かりそうです。
下がそのグラフです。左の縦軸が男性、右の縦軸が女性です。矢印で示しているギャップが男女の負担の違いによるものということになります。
男性の数値を2.4分の1したものが、女性の「潜在マラソン人口」ということになりそうですね。そこで女性の「潜在マラソン人口」から実際の女性のマラソン人口(それぞれ年齢別の割合)を引いたものをグラフに追加してみました。
下の黒い太線です。この人数が子育て等によりマラソンから離脱した人数「離脱人口」ということになります。35歳をピークにして60歳ぐらいまで直線的に減少しています。ランニングする時間が取れるようになりマラソンに復帰することによって「離脱人口」が減少しているということでしょうか。
年齢別のマラソン参加率から仮定した結果ではありますが、現状をよく説明できているように思えますがいかがでしょうか。全日本マラソンランキングから思いがけず日本の課題が見えてきたように思います。
同じようなグラフを国別に作って比較してみると面白そうですね。
一応これでおわりです。(続きを書きました)
初トレランのレースレポを書かなければ。