後半に行く前に中間地点前の出来事を2つほど。
スタートブロックで一緒になった70歳くらいの男性ランナーさんは、ご自身のペースより速いようなことをおっしゃっていたと思いますが、中間地点前までにほぼ集団にいらっしゃって、ペーサーのお二人も私も「すごいですね!」と驚いていました。見た目はいわゆるスポーツマンタイプという感じではなく少し小柄な方でした。
心拍数160bpm超え
もう1つは私自身の心拍数です。20キロの坂で160bpmを超えました。160bpmを超えたからといってキツイわけではありません。15kmあたりの長い坂も中間地点前の最後の坂も去年はだいぶペースを落として走りましたが、今年はかなり楽に上りました。
160bpmを超えてから、暑さで撃沈した横浜マラソンでは16km、先月の板橋Cityマラソンでは19kmは予定のペースを維持できています。今回もそれを目安にしてラップ表を作ったのです。
160bpmを超えたのは最後の上り坂を上った時だったので、落ち着けば下がるだろうと思っていました。一旦は少し下がったのですがデータをみるとその後、再度上がっています。確かこのタイミングで心拍数を確認し160bpmを超えているのが分かったので、晴輝さんにそれを伝えて「ここからどれくらい粘れるかですね。」と言った覚えがあります。
この地点からゴールまでは21km以上あるので、正直まずいなぁと感じたのですが、弱気になってはいけないと自分に言い聞かせ、前回の19kmを超えて粘ろうと思って言葉に出したわけです。
一人旅の始まり
先に書いたように中間地点を超えた時、私はアプリの表示から10秒ほど貯金があると思っていました。
一方の着々と集団を引っ張るペーサーの一人である晴輝さんは、中間地点で約1分の遅れ(借金)があることをペース表で確認しており、ここから少しペースを上げました。
貯金があると勘違いしていた私は、「晴輝さんちょっとペース速いなぁ」と思いつつ、前半と同じように視界に入れておいて計画ペースで巡航していればそのうち追いつくだろうと思い、あえて集団についていかずに自分のペースで走り始めました。
前半の実際のペース(ガーミンの記録から誤差を補正して作成)のグラフがこれです。ぎざぎざした折れ線が100m平均のペース、紺色の点線がペース表の計画ペース。紺色の実線が5キロ毎の実際の平均ペースです。
最初の5キロは渋滞が想定以上、2つ目の5キロと4つめの5キロは1キロあたり1~2秒遅れてることが分かります(3つ目の5キロは計画通り)。
エイドで私が自分のタイミングで給水して続けて走ったところ、集団を待っていたペーサーがかなり後ろにいて、ペースを少し落としてペーサーと集団が追いてくるのを待っていたことが2、3回あったのを覚えています。集団で走るとき給水のタイミングでおいていかないようにすると、給水ロスは一番遅い人に合わせることになるんですよね。かといって先に進むと、給水で遅れた人はダッシュして追いかけかねない。これはダメージが大きいので難しいところです。
グラフの速度が大きく落ちている時間が長い部分は、給水のタイミングで集団を待っていたところだと思います。計画ペースどおりだった3つ目の5キロにも大きな給水ロスがありますが、14キロあたりの下りでペースがあがったため結果的に5キロ平均では収支があったということのようです。
以前紹介したように、給水であえて歩いて足を休めることでよりよいタイムにすることが出来る、という話もあるので給水ロス自体は問題ではないと思います。事前に想定できなかったのは、集団で走る時には給水ロスがより大きくなるのでその分走っている時のペースをやや上げる必要があった、ということかもしれません。
私自身の問題はこのことではなくて、中間地点で1分も遅れているのに気がつかず、10秒ほど貯金があると勘違いしていたことでした。
遅れを認識した晴輝さんはペースを上げ、私はすでに心拍数が160bpmを超えていることを考慮して計画ペースギリギリで走ろうとペースを維持したため、集団から後れ始めました。
そのうち追いつくはずと予想して走っていたのに、視界に入れていたはずのペーサーと集団がだんだんと遠くなっていきます。私から見えなくなってきているということは、ペーサーのお二人としてみれば振り返っても私がどこにいるか分からない状況になっている、ということです。
しばらく走っていると集団から離れて、なかのっちさんが私の視界に入ってきました。その時には余裕がなく気がつかなかったのですが、おそらく私を心配して拾いに来てくれたのだと思います。
「晴輝さん速すぎますよね」とか「心拍数を上げなくないので計画ペースで走ります」などと言った覚えがあります。
なかのっちさんは、前に進んで私をひっぱろうとしたり戻ってきたりしていましたが、そのうち集団に戻ったようです。少しずつキツくなってきたので、なかのっちさんが集団に戻る前に30km地点でのペース表の通過時間を聞いておけばよかった、とちょっとだけ後悔しながら走りつづけました。
「この先、30km過ぎてつらいところは一人旅か」と思いましたが、ペーサーのお二人は(自主と言っても)他のランナーさん達を引き連れているので、待ってもらうわけにもいかず、そもそもすでに姿も見えずです。
計画ペースから遅れる
30kmあたりまではおおむね計画ペースで走ります。ただ給水ロスの分を取り返せていないので、アプリ上でも計画タイムに対する遅れが少し出てきました。
キツさが増してきたのが30km過ぎで30~31kmの区間はキロ5:30です。ペースが落ちているの気がついて31kmから下り坂だったこともあり一旦ペースを上げますが、エイドで給水して再度走り始めた時にさらにペースが落ちています。
心拍数が160bpmを超えたのが20kmあたりなので、過去のレース記録からみて37~39kmあたりまでは粘らなければならないのに情けないと思いながらも、一度歩き始めるともう元のペースには戻せません。
そして心拍数が170bpmを超えました。
このままゴールまでは維持できないと気がつき、せめて心拍数160bpmを維持することにし、時計は心拍数だけの表示に切り替えます。32~34kmまでの2kmは心拍数160bpmを維持して走り続けましたが、35kmでついに心が折れました。おそらくエイドで給水したタイミングだったと思います。
2度ほど屈伸したりストレッチして、ついに歩いたり走ったりが始まってしまいました。データをみると36.5~37kmあたりはキロ10~15分が多く、歩いている時間が長いことが分かります。
あと5km。脚が休まったらゆるゆる走ってゴールするしかないか、と思っていて、「せめてPB達成」とか「せめてサブ4」とか先月の板橋では考えていたようなことも思い浮かばずにいました。(板橋ではペースは大幅に落ちたものの最後まで歩きませんでした)
エイドでは走っていれば取らなかったであろうお汁粉をいただいたり、自主エイドでコーラをいただいたりしていました。
と、そこへ救世主が現れました。