ラン×グラフ

ランニングしながらグラフを更新するブログ

多摩川源流トレイルラン

2019年9月8日、多摩川源流トレイルランに参加しました。

前日まで

去年の全力さんの完走記を読んで是非参加したいとエントリーしていたレースでしたが、実はレースの1週間前になってもあまりモチベーションは上がっていませんでした。

さらに直前に台風15号が発生し、当日に関東地方直撃かという予報だったので、中止にならなくても無理はしないと決め、台風の影響も大きそうだし週末はロング走かなぁなどと漠然と考えていました。

前日になってみるとレースが終わるまでは荒天にはならない予報になっていたため、荷物をパッキングしてようやく気持ちが少し上がってきました。

後になって気がついたのですが、いつもはコースの確認くらいはします。初トレイルレースの上州八王子丘陵ファントレイル in OTAでは、詳細にコースデータを入力し、今どこを走っていてこの後どうなるか分かるように何度も見直しをしていたくらいです。ところが今回は何故か(特に理由も無く)全くコースを確認していませんでした。

当日・スタートまで

朝4時30分に起床し6時に自宅を出てレンタカーで現地入りしました。現地到着が3時30分ちょっと前です。一人での移動だったこともあり、とても遠く感じました。(退屈だし)

参加賞を受け取って車におき、整列まで時間をつぶします。台風が近づいている日とは思えないほどの晴天で暑い日だったので、参加者は日影を求めてテントや庇の下、建物の中などに集まっています。

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スタート時刻の30分ちょっと前くらい前から、スタート列にランナーが集まりだしたので私も移動しました。(上州八王子丘陵FTではうっかりスタートゲートのすぐ前に並んでしまったので、前になりすぎないように適当に時間をおきました)

スタートゲート付近からしばらく後ろまでは木陰なのですが、途中から直射日光の下になります。私が並んだのはちょうどその辺りでした。

直射日光を避けた斜面から聞いたような声が聞こえました。振り返るとKANA先生でした。誰かに話しかけていたので「もしかして」と思って視線の先を追ったところ、私のすぐ後ろあたりに全力さんがいました。全力さんに声をかけてスタート時間まで話をして過ごしました。

全力さんの去年の記録を聞いたところ、どうやらフルマラソンに近いタイムになりそうです。私は4時間ちょっとかなと言いましたが、サブ4ランナーなので目標4時間切りと言うべきでしたね。(気持ちの低さがここにも...)

レーススタート

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スタート時間が来ました。上州八王子丘陵FTでは速い人達に混じってしまったこともあり、邪魔にならないようにスタート直後からそれなりに飛ばしましたが、今回は脚を温存しようと思ったこともあり、ゆったりと走り始めました。

全力さんは最近謎の不調ながらもずっと速いペースで走っていきましたが、そもそも走力が違うので見送って私はマイペースで走りました。ところがその全力さんはKANA先生が追っていきます。私と同じシーズンにサブ4を達成したKANA先生を見送っている場合ではないので、私も遅れないようにペースを上げました。

一般的に男性は女性より筋力があるので登りは有利なようです。全力さんはすぐに見えなくなりましたが、KANA先生より前に出て登っていきました。

まだトレランレース2戦目ということもあり、どうペース配分すればいいか分からないので行き当たりばったりです。誰かと勝負をするつもりはないのですが、同じくらいの走力の人のペースは参考になります。この後、結果としてKANA先生の存在が鍵となったことが分かります。

ガーミンの表示で2キロくらいまで進んだところで、何かを待ってランナーが大勢立ち止まっています。しばらくして分かりましたが、ここからシングルトラックになっていて大渋滞だったようです。100メートル毎に平均したペースの記録をみると30分/キロ、25分/キロと続いている区間がありました。

公式には25キロのコースですがガーミンの記録では21キロです。山は折り返しが多いので実際の距離よりもGPSデータは短めに記録されます。ここから先はガーミンに記録された位置を全長25キロに換算した距離で書いていきます。

6.5キロあたりまでずっと登りです。きつい勾配の間は歩きますが、まだ脚が元気なので勾配が緩くなれば走りました。

ここから下って8キロあたりに最初のエイド(兼関門)があります。

エイドは全部で3カ所ありますが、コースの所々に立っているスタッフ(ボランティアさん?)が、あと何メートル、何分で関門(エイド)だよとか、ここの登り切ったら下りだよ、と教えてくれます。

第1、第2エイドには水と塩と塩タブがあり、フラスクに水を補給することもできます(ちなみに必携品は500mL以上の水と手袋でしたが、暑い日なので500mLでは足りないと現地でアナウンスがあったとおりでした。私は1Lでスタートし、全エイドで補充しました。)

第1エイドの後、登ったり下ったりして10キロあたりにある2つ目のピークを越えた後はずーっと下ります。下り終わった13キロのあたりに第2エイドがあります。だいたいこのあたりまでが前半です。

レース後半

ここから16キロまでずっと登りです。

私は足首が硬いこともあり、急な登りではふくらはぎに負担がかかります。骨盤を使う登り方を意識したり、前腿に手で押したりしながら登っていきました。このあたりから、途中で止まって休んでいる人が増えていたように思います。

登りで脚を使い切り、下りになってもペースを上げられる気がしません。転ばないように歩きながら(後ろから来た人の邪魔にならないように道を譲りながら)ゆっくり下りはじめました。

「右から抜きます」と言う声が聞こえて、女性ランナーが抜いていきました。後ろ姿をみるとどうやらKANA先生のようです。登りで差をつけていたと思っていたのですが、下りを元気に降りていってあっという間に抜かれました。

ここで(いつもの)全体のグラフを載せておきますね。

16キロ手前から下りに入ってもペースが上がらないのが、急にペースが上がっているのが分かります。ぼうっとしている間に100メートル以上差をつけられてしまいましたが、同じサブ4ランナーとしてKANA先生を目標にペースを上げることにしたのです。自分と実力差が近ければ目標にして頑張っても大丈夫、という判断です。

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下りをペース上げて降りるのは集中力がいりますよね。私はトレイルの経験が浅いこともあって、勾配が急だったり、木の根など凹凸が多いところはスピードを上げて転ばない自信がありません。片側が急斜面の細い道も滑落しそうでペースは落ち気味になります。

そこで集中力を上げて、下りの中でもスピードを上げやすいところを細かく拾っていきKANA先生を追いかけ、すぐ背後まで迫りました。17キロ過ぎにある短い登りで声をかけたところ、先に行くよう促されて前に出ます。

まだ下りになってしばらく一人で進んでいきました。下りは遅いので後ろから来たランナーさん達にはできるだけ道を譲ります。

何人目だったか、狭い道だったので木に手をついて道を空けたところ、抜いていったのはまたもやKANA先生。ペースの目標があれば集中力でカバーできそうです。今回は離されずにしばらく直後を走って降りていきました。

途中でKANA先生が一人追い抜いたのですが、私はそこまでは余裕がありません。間に入ったランナーさんが微妙に遅くて、KANA先生との距離が離れていきます。そのうちに見えなくなりました。

それでも何人か抜いて、第3エイドではほぼ追いつきました。10秒差くらいでエイド入りしたと思います。

ここで水を飲みフラスクに水を補給し(残り何キロか分かっていなかったので補給の必要性があるかどうかも判断できませんでした)、ブドウを3粒いただいている間に(とてつもなくおいしかった!)、また見失いました。その後、トイレに行って再スタートです。

ここから先、「ここで登りは終わりだよ」という声を3、4回聞いた気がします。その都度、次の登りがあり「登り終わりサギだ」と思いながら、でもだから頑張れたとも思いながら進みました。

21キロの後、23キロの後、そして23.5キロの後に登りがあります。

このあたりの区間うち半分以上はロードだったと思います。

ロードに出てそれなりのペースで走っていたつもりでした。ロードの途中で勾配の大きな坂(23キロあたり?)があるのですが、ここから雨が本格的に降ってきました。

これ以前のトレイル区間では、霧雨で少し涼しくなったり、晴れて暑くなったりでしたが、適度に小雨になってくれました。

ロードの登りは歩いている人が多かったのですが、ぼちぼち走っていたつもりです。

このままゴールまでロードかと思いきや、再度トレイルに入ります。登ったり下ったりだったような記憶があるのですが、グラフをみるとほぼ登りだったみたいですね。

トレイル区間を出ると雨は止んで蒸し暑くなっていました。

「あと2キロ」「あと1キロ」の声を聞いて時計をみたところ4時間を切ってゴールできることを確信しました。

最後はスタート地点近くの見覚えのある風景となりゴールしました(正式には「フィニッシュ」というらしいですね)。ネットでもグロスでも4時間切りですが、グロスの方は余裕は1分もありませんでした。

ゴール後

ゴール後に無料で配られているオレンジとけんちん汁をいただきに行ったところ、KANA先生がいたので聞いたところ私より5分早いタイムでした。第3エイドから4キロで5分離されたことになります。

マラソンもトレランも自分との勝負だと思っているので、勝ち負けはどうでもいいのですが、フルマラソンで同じくらいのタイムを持つKANA先生に4キロで5分差をつけられたのは、終盤の4キロでもっと頑張れたはずということです。

最初の方に書いたように、結果として同程度の走力と分かっている人の存在は大きかったですね。序盤にはエンジンがかかり、中盤からの下りではペーサーにして集中して走れました。

そして終盤頑張れなかった反省材料にもなりました。

全力さんにも会えたのでタイムを聞いたところ、不調な時期にも関わらず前回の記録を更新されているというすばらしさ。

メンタルの弱さを補う存在

思い返してみると、ロードのレースでもたまたま近くにいた人をペーサーにしたり、初サブ4の湘南国際では公式ペーサーにくらいついて行ったので追い込めたんですよね。

そして一人で走っている時には終盤できつくなった時に自分を甘やかしている自覚も...

 

今回は結果として(フルマラソンでは同じ程度の走力の)KANA先生がいたおかげで4時間を切れたことに感謝です。「同じ程度」とは言ってもトレラン歴は私はまだ2回目だし、ランナーとしてのタイプも私は短距離型なのでだいぶ違いますが。

メンタルの弱さは簡単には克服できないとしても、それを補うことをレース中に意識すれば頑張れるかも。今シーズンの目標に向けて実践してみたいと思います。