ラン×グラフ

ランニングしながらグラフを更新するブログ

朝霧マウンテンオリエンテーリング・OMM北八ヶ岳

OMM KITAYATSUGATAKE JAPAN 2023に参戦しました。以前に書いたように、ハセツネ後の(予定外の)2つ目のチャレンジです。

OMM参加のきっかけ

6月の中旬、Club阿闍梨の先輩にOMMに出ませんかとお誘いいただきました。ナビゲーションインストラクターでもあるクラブの大先輩です。

OMMの開催予定日はエントリー済みの日光のトレラン大会の開催日でもあったのですが、この機会を逃したらOMMに参加することもないだろうと考え、トレラン大会の出走権はゆずれ~るに放流しOMMに参加することにしました。

私は初めてのOMMなので体力、状況に合わせて調整できるスコアロング(ロゲイニング形式のクラス)へのエントリーしましょうということになりました。

朝霧マウンテンオリエンテーリング(スタンダード)

まずはチームとしての練習を兼ねて9月9日、10日開催の朝霧マウンテンオリエンテーリングのスタンダードクラス(オリエンテーリング形式)に参加することにしました。OMMと同じように2人1チームでテント、食料等を背負って移動しテント泊をはさむ2日間にわたるオリエンテーリングです。

OMMとの主な違いは規模と季節でしょうか。

規模を比べると、朝霧マウンテンオリエンテーリングの1日目の記録をみると67チーム、134名、そのうちスタンダードは38チーム、スタンダード男子は10チームでした。OMMの方は1500名規模と一桁多い参加人数です。私たちの参加したスコアロングだけでも(総合成績をみると)296チーム、592名でした。

季節については、朝霧マウンテンオリエンテーリング開催の9月はまだまだ暑い季節なので、ウェアは薄着でテント泊の時も寝袋を掛け布団代わりで済むくらいです。一方、OMM開催の11月中旬は日が暮れると気温が急激に下がり最低気温は0度を下回るため移動中のウェアはもちろん、夜の防寒が重要です。

装備

ザックは今回(朝霧とOMM)のために購入したPAAGO WORKSのRUSH30です。下の写真にボンベ、コッヘル、テントのポールが加わります。

下がおおまかな荷物です。充電器等は車に置いていくものですし、この後足したものもあったかもしれないので、これが全装備というわけではありません。(行動食は写真に写っているのはごく一部です)

コンパスはいつものオリエンテーリングと同じように予備をふくめて2つ持って行きます。落とさないよう紐で手首につないでいるのですが、コンパスは重要なので予備を持つべきと言われていて私もそうしています。

かさばるのがシュラフ(右上)、換えのウェア等(黒い袋)等ですね。この時は忘れていて当日のテント泊の際に気がついたのですが、シュラフはこの袋から出して圧縮できる袋に入れるとかなりコンパクトになります(OMMの装備の方に写真を載せました)。

1日目の夜と2日目の朝の食事には下の写真のものをもっていきました。お湯を入れて3分でできるので手軽ですし味も気に入ったのでOMMの時もこのシリーズを持って行きました。

モンベルショップに妻と行って色々購入したのですが、大会当日用以外に味見をしようといって大きな紙袋一杯に入らないほど色々買い込んでしまいました。(並んでいる全製品1つずつ買い込むくらいの勢いで...)

行動食はこの時もOMMの時も多めに持って行き、かなり余って持ち帰りました。(OMMは必携品としては1日分の予備の食料が必要なのでこれでいいのだと思います)

1日目

前泊はせず、当日の早朝5:30に自動車でピックアップしてもらい、他のチームの方と一緒に4名で現地入りしました。

1日目は小雨、一時濃い霧が発生し、2日目は晴れて暑い日でした。

25,000分の1の地図では富士山麓の溶岩地形が細部まで表現されていないこともあり、ナビゲーションの難易度が高く、CPがみつからず、一旦、現在位置を確定できる場所に出てからやりなおしたことが何回かありました。

また溶岩の不整地の長い距離のコンパス直進では私のナビゲーションをしながらの速度が遅く、自身のナビゲーションがおそろかになりがちで、ついていくのが精一杯になります。平地では歩幅の違いにより私の方が遅れがちで時々走って追いつく場面もあります。

それでもバディのナビゲーションについていくだけではなく、意見を出し合いナビゲーションを楽しみながらまわることができました。いつものオリエンテーリングは一人でルートプランを立てナビゲーションをするので、バディのナビゲーションの考え方、着目点など学べることも多くありました。

テント泊

1日目は行動中はレインウェアがいらない程度でちょうどよかったくらいなのですが、テント場に到着した頃から雨が激しくなったので、テントを立ててからはほぼテント内で過ごしました。夜には見学で案内された子供達にテントの様子をみせて説明する場面等もありました。

2日目

翌朝、テントの水気を拭き取ってから収納する(重さもだいぶ違う)などの基本的なことも初めてでした。2日目朝から好天です。

2日目はナビゲーションが難しめのところの他、かなり急峻な斜面をずっと登っていかなければならないところや(体力も然る事ながら重い荷物でバランスを崩して転落しそうな怖さがありました)、河川敷から上がる途中で眼鏡(今年購入した遠近両用のもの)をひっかけて落とし見つからないなど、1日目以上に色々とありました。

まとめ

はじめてのチームでのオリエンテーリングだったので私の失敗(上に書いた他に大きな失敗も)もあり2日目に順位を下げてしまい、チームとしての実力を出し切れたとは言えませんでしたが、バディとのコミュニケーションは(ケンカすることもなく)良好で、課題抽出もでき、OMMの練習としても有意義な大会でした。

ちなみに記録をみるとスタンダード全体(男子、女子、混合)の1日目は38チーム中18チームが完走、2日目は36チーム中23チームが完走だったので、1日目の方が難易度が高かったようです。

テントを含めた10キロくらいの荷物を背負って2日間移動し(うちのチームは徒歩を基本としました)、テント泊も経験し、未経験であることによるOMMへの心配はほぼ解消できました。

OMM 北八ヶ岳(スコアロング)

10月のハセツネをはさみ、いよいよOMMへの参加です。

装備

金曜日に現地入りするので木曜日の夜に装備をそろえました。写真に写っているウェアは2日目用です。1日目のウェアは当日着ていくので写真には含めていません。

テント泊時の防寒としてダウンパンツを購入してあったのですが入れ忘れました。結果としてはオリエンテーリング用のロングパンツを重ね履きしただけで寒くなかったので問題はありませんでした。少し足りなかったかもが靴下です。こちらは重ね履きしても一人で寝ている時間は冷えました。

中央の黄色い袋が圧縮したシュラフです。朝霧のところに掲載したシュラフの袋よりかなりコンパクトなのが分かります。

次は食料。白で隠してあるのは残ったので持ち帰ったものです。

寒さ対策で荷物が増え、ザックはRUSH30では上記はぎりぎり入ったものの、この後に収納する予定のコッヘル、ボンベ、テントポールが収まりそうもなかったので念のためと思い購入してあったinstinct ALPI 40Lを使いました。

これは多機能な上、部屋がたくさん分かれていて整理にも便利なのですが、テントポールが中には入らないのが盲点でした。外に装着する方法をしっかり検討していけばよかったのですが、取り付け方が甘く1日目の夕方に落下してしまい、その後、バディの荷物になってしまいました。ザックの機能としてはテントポールを装着することはできたはずですが、安全を優先してバディが持つことになってしまい申し訳なかったのが今回の最大にしておそらく唯一の失敗です。

1日目

朝霧マウンテンオリエンテーリングより1時間早い4時に車でピックアップしてもらい、現地に向かいました。

第2駐車場に停め、そこそこ距離のある会場まで歩きます。受付だけして車に戻りたい距離ではないので最初から全ての荷物を持っていきました。

会場内には過去の大会の展示があります。

スタート時間枠内にスタート列に並び1分毎にスタートします。

今回はスコアロング、つまりロゲイニング形式なので、まずは地図をみて回る順番を決めます。点数、距離、標高差、自分たちの移動速度、体力などを勘案して決めるのですが私はロゲイニングの経験値が低いので、バディが案を考えて私が同意するという形になりました。

私はロゲイニングは妻と街ロゲに4回でたのと、クラブ主催の山ロゲに4回でただけです。山ロゲはいつもトレランの練習代わりにしているのでロゲイニングとしてのプランニングをしていません。制限時間の半分くらいを目安にして帰りのルートを考える程度なので経験が少なすぎました。(オリエンテーリングは2年目ですが20回以上出場しています)

1日目も2日目も1時間ほど移動した時点や最初のCPに到着した時点で必要ならプランを見直しました。CP到着や制限時間(1日目は7時間、2日目は6時間)の半分程度経過したタイミングなどでも検討しました。残り2時間、1時間などになると制限時間を意識して見直しをしています。

その中で私の意識に欠けていると気がついたのが標高でした。もちろんオリエンテーリングでCPからCPへのルートを考える時には標高差は意識はするのですが、複数ルートのうちどれが累積標高が高そうかというのはなかなか判断が難しいです。そして今回のようにロゲイニング形式となると大きな標高差を見落としていることがあることに気がつきました。

朝霧マウンテンオリエンテーリングとの違い

1日目の1つ目のCPに近づいて気がついたのは、参加人数が多いことによる影響です。CPに向かって登る斜面には列が出来ていました。いつものオリエンテーリングと違い、クラスは少ない(=同じCPに向かっている人数が多い)、かつCPの近くに別のCPがあるということもない(=自分と違うCPに向かっている可能性も低い)ので、全員同じCPに向かっているわけです。つまり近くまで来てしまえば、CPを探すナビゲーションするまでもなく見つけられてしまうのです。

走力ではなくて(原則徒歩)ナビゲーションで勝とうとしている私たちにとっては少し残念な状況でもあります。中盤になればチームがばらけてくるので人がいないCPも無いことはありませんが、終盤になるとフィニッシュ地点近くのCPに集まってくるので、やはり人数は増えてしまいます。

このようにCP→CPのナビゲーションでは差がつきにくい状況でしたが、どういう順番で回るかで差をつけることはできます。(ここはバディのスキル=経験値が活きました)

もちろん中盤のチームが少なくなった場面ではフラッグをピンポイントで見つける必要があるので、ここはナビゲーションが活きる場面です。

フラッグがあるはずの場所で、複数のチームが迷っている場所がありました。私たちもすぐには見つけられなかったのですが、地形とコンパスを使ってここのあたりにあるはずとピンポイントで特定したところ、地面に置いてあるフラッグを見つけることができました。このような場面ではナビゲーションで差をつけることができました。

ふだんのオリエンテーリングとの違い

いつものオリエンテーリングでもあることですが「行ってみなければわからない問題」があります。道路から山中にあるCPに行き、再度、元の道にもどりたい時に、来たルートが大変だったので別ルートのプランとしたのですが、そちらはそちらで大変でした。後から考えれば最初に来た道を戻った方がよかったかもということですが、こればかりは結果論でしかないので間違った判断だったとは言えませんよね。

オリエンテーリングマップは通行可能度が表示されていますが、OMMにはそれがないので、発生しやすい問題のように思います。行ってみないとわからないけど笹藪が多いかなど、あらかじめ予想できる場合には考慮しました。

今回のテレインは人がほとんど通っていないトレイルが多く、トレイルはあるけど植物や倒木などで進みにくい、トレイルがあるはずなのに笹で覆われて見つけにくいなど、行ってみなければ分からない場所が少なくなかった印象です。

1日目フィニッシュとテント場での宴会

1日目は7分9秒を残してフィニッシュしました。ロゲイニングなので時間を残しすぎない、かつ遅刻しないことも重要なので、なかなかよい残り時間です。順位は上位から3分の1くらいでした。残り時間を睨みながらプランを見直してきたバディのおかげです。

テント場に行ってテントを立て、バディの知り合いの人たちと賑やかな宴会?が始まりました。

RUN+Trailの去年の大会の動画でみたような賑やかな時間です。よけいに食べ物や飲みものを持ってきてテント場で交流するのも楽しみの1つですね。私は自分の食料以外は持たずに来ましたが、食べるもの飲むものをいただき賑やかな中にまぜていただきました。

そして夜は早々に寒くなることを知りました。事前の予想では寝てから、しかも明け方に寒くなるのだと思っていたのですが、テント場で座って体温が下がり陽が落ちてくると急速に寒くなります。

ベテランの方から寒くなる前にどんどん着込まないと、と教えていただき、もってきたウェアをいっぱいに重ね着して、最後にレインウェア上下を着ました。

それで一旦は寒くなくなったのですが気温がさらに下がってきて、さっさとテント内のシュラフに潜り込みました。暖まるだけのつもりが早々に眠くなってしまい、うつらうつらしながら足先の寒さで時々目が覚めていました。

宴会も制限時間があるのでお開きの時間になりバディがテントに戻ったことで、テントを閉めたことと2人分の体温でテント内が少しあたたかくなり、足先の冷たさも解消され凍えず寝ることができました。

2日目

4時過ぎに目が覚め、5時に起きてトイレ並び、もどったところで食事、着替え、荷物の整理、テントの水滴取りをしているとあっという間にスタート時刻の7時10分が近づきます。あわててもう1度トイレにならんで、スタート地点に整列しました。

時刻が早いこともあり1日目より寒くダウンジャケットを着た状態でスタートしました。

この日もCPの回り方をバディが考え、提案する形で進みました。

時間をみながら行かないCPを決めたり、逆に予定していなかったCPでもそちらを回った方が標高差も少なくナビゲーションもしやすいということで、追加して回る順番を変えたりして進みます。

途中で1カ所だけ道を見落として少し行きすぎたことに距離と地形で気がついて戻った場面がありましたが、それ以外は順調だったと思います。

ショートカットが難しそうな急な斜面でコンタリングをしつつ上の道にあがる臨機応変なバディのプランに関心したこともありましたし、反対に私の気づきでミスの影響を食い止めたり私のルートプランが活きる場面もありました。

最後はフィニッシュ地点のスキー場のゲレンデを登ったところにある40点のCPを取るかどうか残り時間との競争になりました。ずっと徒歩で来ましたが走れるところは走りはじめました。それでもフィニッシュ地点からCPまで急峻な登りなので間に合うかどうか微妙でした。

時間を超えて原点になってもマイナスにならなければ取りに行く意味はあるというバディの意見に賛同しつつ、フィニッシュ地点付近に着きました。

見上げた光景がこれです。これで行けると確信し頑張って登りました。

最後のCPをパンチするとあとはフィニッシュゲートに向けて下るだけです。

2分59秒を残して無事にフィニッシュ。順位は上位から1割くらいです。2日間の総合では上位から2割くらい。初心者の私としては望外のうれしい順位でした。

会場で蕎麦をいただき、着替えをして帰りに一緒に車に乗る別チームの2人を待って、帰途につきました。

これで「今年のチャレンジ」は終了です。

年明けには今年は大きなチャレンジはしない心づもりでしたが、縁があり2つも新しいことにチャレンジすることができ充実した年になりました。

これも誘ってくれたバディやいつもそっと背中を押してくれる「師匠」のおかげ、そしてOMMについていえば二人での旅行を兼ねていた日光のトレランをキャンセルしてOMMへのチャレンジを勧めてくれた妻のおかげです。

私自身は対人関係が淡泊なのであまり人のお役には立てていませんが、人の縁は本当にありがたいなぁと思うばかりです。

 

ちなみにこのクラブの大先輩であるバディは、高校、大学(学科も)ともに同じ後輩であることがOMM参加を決めた後に発覚しました。同じ時期に高校にいなかった程度には年が離れた後輩なのですが、私にとってはありがたいクラブの先輩であることには変わりなく引き続き、敬意と感謝をもって接しています。

バディの人柄に加え、お互いに先輩であり後輩であるという関係も、大会中に衝突することなく円滑にコミュニケーションできた理由かもしれません。

 

あとは12月の湘南国際マラソンですが、こちらはマラソンのための練習メニューをほぼ出来ていないので、ファンランのつもりです。(オリエンテーリングは出る予定のものがまだあります)

 

 

 

サムコンパスについている目盛は1cm単位なので、25,000分の1の地図では厳しい。1mm単位の目盛がほしい。