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青梅マラソン(2)心拍数管理で走った結果

さて青梅マラソン当日です。心拍数でレースを管理するという初めての計画を実行に移せることでちょっとわくわくしています。

スタートまで

30キロの前に行われる10キロのレースは結構な雨の中で開催され大変そうです。

いつものように(事前予約の必要な)荷物預けのために河辺小学校に行き、更衣室で着替えますがテントに当たる雨音でなかなか外に出る気になれません。

円陣のタイミングぎりぎりまで粘って荷物を預け、ジャケット二枚重ね(1枚だと雨が通りそうなので)でシューズ円陣の現場に向かいます。

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速そうなランナーさん達との円陣の後、スタートブロック付近に移動します。11時30分スタートですが11時スタートと勘違いしていて10:45頃には到着してしまいました。

スタートブロックに人が並び始めたところで、私も列に加わりました。自分のブロックの前から2列目くらいです。(Eブロックですが、さらにゼッケン別に細分化されたプラカードで細かくブロック分けされています)

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雨は既に止んでいたので、レインジャケットを脱いで腰に巻きます。気温が高めなので、ウィンドジャケットも不要ですがとりあえず着たままスタートすることにしました。

11時30分になりいよいよスタートです。

スタートから折り返しまで

スタートから折り返しまでは心拍数がLT心拍数(156bpm)を超えないよう、時々時計を目にしながら走ることにしています。

最初の2キロを過ぎたあたりでようやく150bpmを一定して超えるようになりました。

その後、上り坂の勾配が急になったらペースを落とし、下り坂ではペースを上げて、体感と時計の確認で心拍数を保ちながら走ります。

後でグラフを掲載しますが、いつものレース並みに心拍数の短時間の変動はあるもののラップ平均でみると、LT心拍数前後で保てています。

ペースをみながら走ると登りと言えども元気のあるうちはついつい頑張って心拍数を上げて登りがちですが、心拍数をみているので気にせずペースを落とします。

一方、下りは楽をしすぎず、かつ飛ばしすぎない程度に(心拍数が目標あたりになるよう)ペースを上げて走ることで、登りにペースを落とした分を取り返します。

さすがに暑くなってきたのでウィンドジャケットも脱いで腰に巻きます。レインジャケットと2本巻いていることになりますが、思ったほど邪魔ではありませんでした。(それよりもウェストポーチが回転するのが気になります)

速いランナーが折り返してくるので、左に寄るように指示があります。これが始まってから実際にスライドまでかなり時間があるのは分かっていますが、指示に従って左車線を走りました。

先導車が過ぎ、トップのランナーとスライドし、何グループかの集団が通り過ぎた後、川内優輝選手のいる集団が通り過ぎました。

そしてさらに数集団後ろには、オリンピック代表が決まっている前田穂南選手が男子選手の集団とともに通り過ぎました。

心拍数156前後なのできつさはありません。スライドするランナー達を見ながら、そして前方に知り合いのランナーがいないか見ながら進みます。青梅マラソンはコースが狭いので走りにくい反面、スライドのランナーが近いのがいいところでもあります。

スライドに知り合いのランナーを発見して声を掛けたり、かけそこなったり(近いので瞬間に行き違ってしまいます)。

そしてついに折り返し地点です。(スタート地点とフィニッシュ地点が違うので中間地点は折り返し地点より少し先です)

折り返しからフィニッシュまで

折り返してここから下り坂です。LT心拍数しばりは解除です。終盤近くまでは160bpm前後まで上げて走ることにしました。160bpmを目安としたのは、去年の青梅マラソンの記録からです。(ゴール後のダメージから振り返ると、結果としてもうちょっと頑張って走ってもよかったかなぁと思いましたが)

ここで全体のグラフを掲載しておきます。1枚目はペース、5km毎の区間ペース、、相対高度(ただし誤差が大きい)、2枚目はペースと心拍数です。

結果として前半は5キロ区間ペースでみればほぼイーブンペース、後半は下り基調の折り返し直後でペースが上がり、登りのある次の区間ではペースが下がり、最後の区間はさらにペースを上げています。1キロ毎に見るとゴールに近づくにつれペースを上げていることが分かります。最後200mほどはキロ4分くらいで全力疾走できるくらい余力がありました。

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心拍数をみるとLT心拍数(156)近くまで3キロほどかけて上がり、その後は19キロ手前ぐらいまでは156前後のように見えます。

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上のグラフは短時間の変動があって分かりにくいので、1キロ毎の平均のグラフにしてみました。折り返した後は一定して156bpmを超えていることが分かります。

もうちょっとペースと心拍数を上げてもよかったはずですが、なにしろ青梅マラソンはコースが狭くて渋滞し、追い越しもままなりません。無理せずに追い越していってこれが精一杯でした。前半で順位を落としているので、まわりの集団のペースが遅めだったということもあるかもしれません。

公式記録によると、5キロ地点3560位、10キロ地点3870位、15キロ地点3990位、20キロ地点3860位、25キロ地点3810位、フィニッシュ3600位くらいでした。

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後半は心拍数しばりは無しとはいえ、登り坂でも心拍数が一定になるようペースを落とし、下りで上げるという原則は維持しました。

2つ上のグラフに去年の青梅マラソンの心拍数を重ねてみました。今年は去年より変動が少ないことが分かります。

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下は今年と去年のペースと心拍数の1キロ毎の平均です。心拍数はほぼ同水準、ただし今年の方が安定している一方で、ペースは去年の方がやや速めです。やはり1月に3週間以上走れなかったことで持久力が落ちていることがデータをみても分かります。

心拍数の上がり方は、去年は大きく低下した区間があるのと折り返し直後の上昇が大きかったのに対して、今年は変動が少なく、後半に入って自然に上がっていきました。

ペースを全く見なかったにも関わらず、去年と同様ネガティブスプリットで走れることが出来ました。自分の現在の走力が分からない、つまり適切なペース設定が分からない中、いいレース運びができたのではないでしょうか。

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青梅マラソンは3回目なので、コースの様子は分かっています。山を下りてきて風景が変わると残りの距離がどれくらいか体感されてきて、自然とペースが上がりました。

市街地に入ってからの残り3キロはペースも心拍数も一段と上がり、気がついたらまわりのランナーをどんどん追い抜いています。フィニッシュまでこのまま走りきると覚悟を決め、フォームを保つこと以外は何も気にしないことにして(沿道で吉田香織さんが応援しているのは発見しましたが)走りました。

ゴールへ曲がる交差点が視界に入ってから一段とペースを上げます。(ここまで来たらタイムは大して変わらないのは分かっていますが)

そしてフィニッシュゲートをくぐりました。

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記録は昨年に5分及びませんが、勝田全国マラソンでは16キロで、翌週の皇居では17キロで撃沈、その次の週は遅いペースでやっと22.5キロを走れたことを考えると上出来です。

 ペースではなく心拍数で管理することについて

現在の実力が分からないことから、今回心拍数でレースを管理することを試みました。その背景には過去のフルマラソン(10回中9回撃沈)では下の2枚のグラフに示すように、LT心拍数を超えてから15~20キロくらいで撃沈していたというデータがあります。

つまり残り15キロまではLT心拍数を超えなければ撃沈しない、ということになるので、これを利用しようというわけです。

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結果としては大成功。今の実力に応じたレースが出来たのではないかと思います。

調子がよければラスト20キロをLT心拍数を超えて走るという選択肢はありますし、超えてからどの程度の心拍数まで許容できるかを探ってみることはできるので、現時点でのベストタイムが出せたとまでは思いません。

心拍数ランのいいところを上げてみます。

  • 上り勾配、下り勾配でのペースをどうしたらいいか迷わない(上りでペースを落としても罪悪感を感じないし、下りを飛ばしすぎない)
  • 前半で好調に走りすぎて終盤で撃沈するのではないかと心配する必要がない
  • 脚が痛くなっても、心拍数が計画範囲内であれば問題ないので「痛いのは気のせい」と思うことができる(心が折れない)
  • 体調や気象条件、コースの変動に応じたレース運びができる(気がつかず無理をして撃沈する心配がない)

目標タイムを決めるのは、切りの良いタイムが励みになることと、目標タイムを決めないと計画ペースが決まらないからですよね。心拍数で管理できればそもそもペースを計画する必要がありません。

走ってみて調子に合わせて、臨機応変にペース配分を変えるのは私には難しいです。そもそも調子がどうか分からない。前半好調だと思っていたらいきなり撃沈した勝田全国マラソンを経験してそう思います。

私の次のフルマラソンの目標タイムは3時間45分切りですが、あえてペース計画を作らずに心拍数だけで管理してフルマラソンでどれくらいのタイムになるか見てみたい気もしています